普段お会いしたときには、とても対応
が丁寧で几帳面な社長さんなのに、
帳簿(経営数字)を見せて頂くと、
ぐちゃぐちゃになって上手に管理が
できていない…
ということがあります。
その社長さんは「数字が苦手だか
ら…」と苦笑いをしていらっしゃい
ましたが、それはウソ!
実は几帳面さが仇(あだ)になって、
数字の処理で「ありがちな罠」に
はまってしまっているのです。
では、几帳面な社長が陥りがちな
「罠」と、その回避方法とは?
─ というテーマでお送りいたします。
前回の記事で、「1店舗目で大成功
した社長が、2店舗目で大コケする
理由とは?」
という内容を書きました。
要約すると、「社長が使う経費」は
それぞれの店舗から切り離して、
「管理部」として認識するのが良い
という内容です。
こうして管理部を作ったときに、社長
さんから、こんな質問を受けることが
あります。
「私(社長)以外の幹部役員の給料
は、どうしたら良いの?」
「銀行からの借入金の利息も
分けるの?」
「管理部として集約した経費は、
赤字の店舗にも負担させるの?」
つまり、前向きに進もうとしているの
に、数字の管理をしようとしている
のに、都度「〇×クイズ」に足止め
をされている状態です。
もっと言うと、社長さんが自分で〇×
クイズにした結果、どちらかが
不正解だと思い込んでしまい、先に
進めなくなってしまうんです…
いかがでしょう?
1つ1つ気になって前に進めない…
心当たりはありませんか??
でも実は、社長さんが〇×クイズだと
思い込んでいるだけで、どちらを選ん
でも大丈夫な事って多いんですよね。
先ほどの3つの質問を例として、
考えてみましょう。
幹部役員の給料はどうしたら良い?
私(社長)以外の幹部役員の
給料は、どうしたら良いの?
社長さんと同じように、全て管理部に
含めるとわかりやすいですが、もし
A店舗に常駐しているなど、
部門が特定できるのであれば、例え
ばA店舗80%、管理部20%で振り
分けてみたらいかがですか?
振り分ける割合を何%にするかは、
本人にも確認しつつ納得のいく数
字を選べば良いと思いますよ。
銀行からの借入金の利息を分ける?
銀行からの借入金の利息も分けるの?
2店舗目を出すときの借入金にかかる
利息は、B店舗に含めるのが合理的
だとは思いますが、
過去に借り換えをしたことで、いつの
借入れかわからなくなっているケース
も多いですし、全体の損益に与える
金額的な影響も少ないので、
利息は管理部に含めて、最後に振り
分けてはいかがでしょうか?
管理部の経費は赤字店舗も負担するの?
管理部として集約した経費は、赤字の
店舗にも負担させるの?
もしB店が単独の会社であれば、当然
社長さんの給料はB店舗で負担しなけ
ればいけませんよね。
そこを無視してA店舗に100%負担
させるのは、B店長の甘えに繋がり
ますし、A店長も納得しないと思い
ます。
ただ、A店B店に振り分ける割合は、
売上額の比率で確定させずに、
皆さんが納得のいく割合を検討
されてはいかがでしょうか?
いかがでしょう?
こうして検討の余地を残して、納得の
いく判断をしていくことで、前向きに
議論を進めていけるのではないで
しょうか。
結果として、上手な数字の管理が
できるようになりますよ。
「なんで几帳面な社長は、数字の扱い
が超雑に見えてしまうのか」という問
題。
原因がおわかりいただけたでしょうか
?
本当は柔軟に考えていい問題を、○か
×かできっちり考えようとするあまり、
思考がフリーズしてしまっていただけ
なんですね。
でも、やり方さえ憶えてしまえば大丈夫。
私は社長さんとの打ち合わせの中で、
「どこまでやるかの世界ですよ。」
という表現を使うことがあります。
思い悩んでストップしてしまうのであ
れば、まずはどこまで細かくやるか、
どこまで大雑把にやるかを検討して、
議論をどんどん進めてみましょう!
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